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1/11(土)連続講座第3回「居場所を失った子どもたちを守る」のご報告

1月11日(土)の連続講座「地域でゆるやかに支えあう場をつくろうPart2」第3回の
ご報告です。


今回のタイトルは「居場所を失った子どもたちを守る」。

DSCF0396.jpg「子どもセンターてんぽ」理事で弁護士の東玲子さんが、仲間とともに立ち上げた子どものシェルター「てんぽ」と、そこにたどり着いた子どもたちについて話してくれました。

家庭が安全、安心できる場でなくなり行き場をなくした10代後半の子どもたちが駆け込める居場所として設立された「てんぽ」ですが、なぜ対象が10代後半なのか。日本の法律の隙間になっている18歳、19歳の子どもたちを守るシステムが少なかったことが家庭以外の受け皿としてのシェルター設立の理由です。また、虐待から連想されるのは乳幼児や小学生であり、10代後半の子どもたちが虐待を受けているということが一般の人々には想像しにくいのではないか、という指摘もありました。実際は多くの子どもたちが幼いころから引き続いて虐待や性虐待を受け続けています。

DSCF0409.jpg弁護士1年目の少年事件で出会った女の子との出会いがシェルターの必要性を考えるきっかけになり、頑張っても報いられた経験の少ない子どもたちを受け入れ寄り添っていく支援の大切さを痛感したと、東さんは言います。

お話を伺って、外から見えにくい家庭内で起きる虐待に気づくサインを知りネットワークを作る大切さ、ハイリスク家庭に手を差し伸べる仕組みづくりの必要性を痛感。また、自己責任を声高に叫ぶ社会自体が虐待を生みだす要因にもなっているとのお話にも納得です。

終了後の参加者とのやり取りでは熱心な質問がたくさん出され、関心の高さがうかがえました。子どもたちのSOSを早めにキャッチできるような、地域でのゆるやかなつながりの大切さと、そのために私たちに何ができるかを考えさせられた講座でした。
「てんぽ」にくる手前でくいとめるためには、「気づいて、見守って、ときどき手を差し伸べること」という東さんの指摘が心に残りました。

【参加者のEさんがフェイスブックに書き込んでくれたコメントです。許可を得て転載します】
「あなたが望むとき、けっしてあなたを一人にはしません。」
この言葉は、先日(1/11、土)、コミュニティカフェ・スペースナナの連続講座の第三回『居場所を失った子どもたちを守る』が開かれた際、NPO「てんぽ」の理事の一人でもあり、弁護士の東玲子さんが、何度も、口にした言葉。「青臭いかもしれませんが、うちの理事長が、よく口にしているんです。」と。
子供用のシェルターは、全国でも、10に満たないという。「ネグレクト」、「児童虐待」、「育児放棄」などなど。ニュースの中でしか、耳にすることがなかった言葉が、次々と紡ぎだされた。現実とは思えないそれらの言葉が出てくるたびに、会場の空気は、凍り付いてしまったよう。そして、成人年齢に達する前の18歳、19歳は、法律のスキマで、セーフティネットからも、もれていたとか。
Q&Aでは、児童虐待の事例の紹介もあったけれど、その場で、答えを持っている人は、いなかった。政治の貧困というけれど、身近なところで起きているこれらの問題の多くは、政治や、行政の無作為による、システムとしての問題が多いのだという。そのためにも、気づいた人たちが、手を取り合って、連携し、それらの問題と向き合う必要があることを痛感させられた時間だったと思う。


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[掲載日 2014/01/11] カテゴリ :イベント トラックバック(-) コメント(-)
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